好きなロックを改めて考えてみると…

 プログレにはまりつつあるものの、ストーンズなら"Gimme Shelter" "Jumpin' Jack Flash" "Honky Tonk Women" "Bitch" "Midnight Rambler"などにある気怠いグルーブ感がやはり手放せない。自分のロック愛の軸は、やはり、ドラッグ、セックス&ロックンロールなのだと改めて思ったのは、やっぱり、ローゼズ、ツェッペリンレッチリカサビアンBRMCなんかを今でも放っておくと聴きこんでしまうところね。

 僕ね、ロックンロールが好きだ好きだと他人には言っているけれど、たぶんヒロトマーシーとは若干趣味がかぶらないと思う。70年代のパンクロックは大好きだけど、50年代のいわゆるブルースとかロックンロールに、それほど関心がないんだよ。もちろん、ロックの歴史に興味を持つと、どうしても聴くことになったし、歴史的背景も勉強したし、それなりには知っているとは思うけれど。

 浅井健一とも違う。ストレイ・キャッツみたいな革ジャン着た不良のロックもアメ車もバイクも好きだし、アメリカの少年文学的世界観も好きだけど。

 僕がロックに求めるものは、グルーヴとヒッピーイズム。バンドのなかでそれぞれの役割を持った演奏者たちが、それぞれの音の大きさ、質、リズムの違い、つまりは、一つの曲に向かっていくという共通の発想のなかで起こるずれを補正しつつ、その運動の中でまたできてしまうずれをまた補正し合っているうちにいつの間にか取り返しのつかない大きな渦のなかに演奏者も聴衆も巻き込まれていくあの感じ。あの感じを、ヒッピー的な感性で人生を棒に振りながら、極端に突き詰めていってる感じがたまらなくかっこいいんだ。悪魔的な魅力すら感じるね。